ラストライブ当落発表

杏果の卒業発表から3日。
相変わらずザワザワと騒がしい中で、
皆が心の落とし場所を探している。
何度も何度も落としてはまた浮き上がって、
苦しみながら繰り返して、
そうやって納得していくんだろう。
僕もそう。
昨日しっかり納得したつもりなのに、
また朝になるとふわふわしてしまっている。

事実を知って信じられなくて嘘だと願って、
仕事放り出して情報かき集めて、
事実であると沢山の情報に突き付けられて、
どこにも行き場のない哀しみに襲われて、
何度もテレビに出る5人を見て憤りを感じて、
泣いて嘆いて怒って落胆して。
何度も何度もももクロの曲を聞いて。
無い頭をフルに回転させて考えて。

そんでやっぱり凄いなって思ったのは、
モモノフさん。
自分の推しがいなくなる辛さを乗り越えようと、
必死に努力して自分を納得させて、
そして推しがいなくなっても変わらず、
ももクロを応援すると言ってくれる優しさ。
多分モモノフさんは、
れに・夏菜子・詩織・彩夏の4人と近い、
激しい衝撃と哀しみ、痛みを感じたはず。
それなのにモノノフをやめると言った人は、
ほとんどいなかった。

8年間杏果も一緒に作り上げてきたももクロ
そのももクロを4人は続けようとしている。
欠けた穴を埋めることなくありのままの4人で。
きっとそれは今まで8年間ありがとうという、
杏果に対してのお礼と、
それでも自分達は更に前に行くという強い決意。
今までの活動を無駄にしたくないという熱い想い。
様々なことが入り交じった結果。
それをモモノフさんは肯定してくれた。

そして、
タカノフさん、デコノフさん、タマノフさん、プニノフさん。
杏果の卒業を否定しないで受け入れてくれていた。
それが何よりのこと。
否定すればきっと楽だと思う。
4人が頑張っているのに1人だけ辞めるなんて。
ずるい、裏切りだ。
そう言って責めた方が絶対に楽。
心の落とし場所がすぐに見つかる。
なのにしなかった。
皆ずっとももクロに寄り添っていた。
推しじゃない、でも杏果が辞めるのは嫌だ。
杏果がいないとももクロじゃない。
そんな言葉を何度も目にした。

見返りを求めない。
それが本当の愛だと思う。
そしてモノノフさんは、
ももクロを本当に愛している。

なんだろう。
言葉にするのが難しいけど。
ももクロに出会って沢山救われて、
ここにきて沢山考えさせられた。
今までアーティストを好きになったことはあるけど、
ここまでじゃなかった。

人間としての何かを今考えている。
それが何なのか、
はっきりと言葉には出来ない。
そこまでの語彙力が無いのが悔しい。
でも感じているんだ。

21日。
僕は行けないみたいだ。
確かに悔しい。
5人揃ったももクロを1度も見れなかったのは。
でもなんだろう。
妙に清々しく思える部分がある。
1週間前に卒業発表して、
急にライブの日程と場所が決まって、
本当に急展開だったのに、
落選したんだから。
それだけももクロに感謝して、
最後にありがとうを伝えたい人が山のようにいる。
予定を全て変えてまでも、
現地に行こうとしているモノノフさんが沢山いる。
それを感じることが出来ただけで、
幸せだなと思う。
そんなももクロに出会えたことが幸せだなって。

心の落とし場所を、
何とか見つけられた気がする。
それはももクロを、
心の底から愛しているモノノフさんの優しさの中に。